I"s
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放映開始 : 2018年12月
放送局 : BSスカパー
エピソード数 : 全13話
先週までBSスカパーで放送してたドラマ版の『I"s』がとても良かった。とても良かったっていうか異常に良かった。
今でこそ人に勧めたり騒いでいるけど、正直に言えば放送開始当初はあまりちゃんと観ておらず、途中から白石聖さんの美しさに目が覚めて、気持ちを改め真面目に観るようになった結果、どんどんと登場人物と演じてる役者の人達の事を好きになってしまい、最終話が終わってしまった今では、あの登場人物達と新しく時間を共有できなくなってしまった…みたいな寂しさ、いわゆるロス、喪失感を引きずっている状態。
このドラマがマジで良かったとしみじみ思えるのは、とにもかくにも白石聖さんの葦月伊織を筆頭に、若い役者の人たちがそれぞれに素晴らしく、また撮影も演出も丁寧で、関わってる人たちの凄く真っ当な仕事によるものでしかないはずなんだけど、それ以前にとにかく企画を立ち上げたプロデューサーの長内敦という人の原作に対する過剰な思い入れがあってこそ成り立っているんじゃないかという気がする。 放送が始まるまでは名前すら知らなかった人も多くて、ぶっちゃけ地味なキャスティングだなとも思ってはいたんだけど、今からしてみれば「皆さんおなじみのこの人が出てまっせ」みたいなマーケティング的な姿勢よりも、原作に対する誠実さと、それを託す役者への信頼感と言うか、見た目が漫画のキャラに似てるかどうか以上のところで思い入れを持って登場人物の感情に向き合って作られてる様にさえ思える。
じゃなかったら話の筋も知っているのに、見てるこっちが年甲斐もなくドキドキしたり、いたたまれなくなったりして録画したものをついつい何度も止めて一呼吸おきながらじゃないと再生できないものにならんでしょっていう。
20年も前に少年誌で描かれていた漫画だから、ってわけではないかも知れないが、女性観がオールドスクールに思えちゃう部分も結構あって、最終的に男と一緒にいる事の方を取る展開とか、漫画を読んだ時点でさえ少しがっかりもしたので、場合によってはそういう描写は今っぽい正しさの尺度で歪めるっていう選択をとる企画もありそうっちゃありそうだし、やり方にもよってはその方向できちんといいドラマにもなるんだろうけど、今回出来上がったドラマを見せられてしまうと、なんだかんだそれはそれで暴力的な配慮に感じてしまうだろうな。
などなど原作への思い入れがどうのと書いてきたので、中学高校時代が連載時期と重なる自分も「これはもう直撃世代なんですよ~」なんてうっかり書きそうになるが、実はリアルタイムではスルーしてて、後々何をアレしてサーッと読んでしまったよう薄い体験しかしておらず、正直原作に対する思い入れはあんまりありません。
だから2019年にもなって桂正和の漫画が原作のドラマでこんな気持ちになるなんて思ってもいなかったけど、おそらく自分の中では2019年の映像作品でベストです。
原作にもキャストにも引っ掛かかってなかったのに、なぜかしっかりこのドラマを予約録画を登録していた自分のきまぐれに感謝。とりあえず録画しとくかというチェックの気持ちは大事にしたい。